世界の薪ストーブ


厳しい冬の寒さから解放されるために人類はストーブを発明しました。
今では世界各国で薪ストーブの研究・開発が続いており毎年何十万台もの薪ストーブが全世界に向けて生産・輸出されています。
今回は特徴的な3つの地域の薪ストーブを紹介させていただきます。

ヨーロッパの薪ストーブ

北欧のストーブの大きな特徴としては『魅せる火』であるという事。
14世紀後半のフランスから始まり薪ストーブに親しんできた地でもあります。
焚火→囲炉裏→暖炉と進化してきた暖房事情もあり、暖炉の「オシャレなインテリア+暖房」という要素を色濃く受け継いだ薪ストーブが多く見られます。

モダンで縦に長いスタイリッシュな形は現代の住宅にマッチしたデザインになっています。
しかしなぜ熱の放出面積の少ないスリムなデザインの薪ストーブが生まれたのか。それはヨーロッパ地域の、「住宅性能の良さ」に起因していると考えられます。住宅性能が薪ストーブの『暖をとる』機能を縮小させて自由なデザインを可能にしたと言えると思います。

それと余談なのですが 欧州車 を思い浮かべてみてください… FIAT、ルノーなどコンパクトな車が多いような気がしませんか?
スリムコンパクトなデザインを好んでいるような…私の思い過ごしでしょうか。
それはさておき日本の住宅性能も非常に良くなっている昨今。
ヨーロッパの薪ストーブも今後徐々にだと思いますが認知度が上がってくると思います。

アメリカの薪ストーブ

北米のストーブの大きな特徴としては『徹底した排気の研究』をしている事。
薪ストーブの原型、フランクリンストーブ発祥の地アメリカ。
ここではEPA(アメリカ合衆国環境保護庁)によって定められた厳しい排煙規制をクリアしなくてはいけません。
「より燃焼の優れたものを」
「より環境に良いものを」
と、数多の企業が性能を数値化し競い合い行き着いたのが触媒式薪ストーブという発想です。

通常は未燃焼ガスを空気中の酸素を用いて2次燃焼、3次燃焼…
と再燃焼を促していくのですが触媒式ではたっぷりの酸素を取り込んだ触媒がより効率の良い燃焼をサポートしてくれます。
シンプルな構造を追及するヨーロッパとは異なりアメリカの薪ストーブのメンテナンスが少し手間のかかるのはその構造の違いによるものです。

日本の薪ストーブ

日本のストーブの大きな特徴としては『職人の手作り』であるという事。
残念ながら日本には大きなストーブ製造メーカーはありません。
それは日本の薪ストーブ市場が小さい事と輸出ビジネスモデルの確立が難しいとの判断からだと推測できます。
年間何十万台もの需要のある欧米市場ではありますが大手メーカーと真っ向勝負を挑むにはリスクが高いと思います。

それでは優れた薪ストーブは作れないのか?
いいえそんなことはありません。

日本人の勤勉さ、実直さ故に妥協を許さない丁寧な仕事ぶりが実感できるハイクオリティーの薪ストーブを私たちは手に触れることができます。
日本でも何年もの歳月と試行錯誤を繰り返しメーカー独自の形状と燃焼方式を確率して確固たる地位を築いたメーカーさんは存在します。
日本国内にはまだま私の知らないメーカーの薪ストーブも多数存在されていると思いますが長野県のイエルカワインさんやエイトノットさん等は知名度も信頼度も高い国産薪ストーブの筆頭と言えます。