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薪ストーブ講座

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Contents
  1. そもそも薪ストーブと暖炉違いとは?
    1. 暖められる範囲
    2. 本体の施工
    3. 煙突の施工
    4. 結局どちらにした方が良いのか
  2. 薪ストーブに煙突が必要な理由
    1. 煙突の排気温度を高くする
    2. 二重断熱煙突を使う
    3. 煙突掃除をする
    4. 煙突を高く上に伸ばす
  3. 薪の重要性
    1. 薪の大きさ
    2. 薪の含水率
    3. 薪の樹種
    4. 薪の確保
  4. 新築でなければ薪ストーブは設置できない?
  5. 煙突の施工について
  6. まとめ

そもそも薪ストーブと暖炉違いとは?

薪ストーブと暖炉に馴染みがない方はこの二つを混同される事が多いかと思います。
そこでこの二つの違いを比較してどのような違いがあるのか見ていきましょう。

暖められる範囲

暖炉の方が大きく強力なイメージを持たれるかと思います。
しかし流入、排出する空気の流れをコントロールしにくく薪を燃やして得たエネルギーの大半は煙突から外に放出されてしまうのです。
蓄熱、放熱も苦手なので暖められる範囲としては炎からの赤外線が当たる範囲。暖炉の直近だけだと思って良いです。(埋め込み式では無い蓄熱式暖炉という特殊なものも存在しますが薪ストーブと似た特性なので例外)

薪ストーブは対流式、輻射式、などの種類はありますがそのほとんどがある程度の蓄熱、放熱ができます。(開放式の薪ストーブは暖炉と似た特製なので例外)
これは暖炉が主に『炎』で暖めるのに対して『炎+炎で熱された薪ストーブ』で暖めるためです。
薪ストーブを中心に円状に強力な輻射熱を発するので広い範囲を暖める事ができ、部屋全体を無理なく暖める事ができます。
空気コントロールも可能な機種が多く暖炉と比較すると燃焼の効率も良いです。

本体の施工

暖炉の材質は耐火煉瓦や石材がメインとなっています。
そして本体が壁面に埋め込まれているのが特徴です。
埋め込みの為、薪ストーブほど動線を気にせず設置出来るのが強みと言えます。

薪ストーブの材質は鋳物や鋼板がメインとなっています。
薪ストーブは独立した1つの箱です。言ってしまえば部屋の中心でも壁際でも隅でも薪ストーブ本体に配置場所の制約はありません。建物の間取りによって配置場所が制限される事もありますが設計段階で対処しておけば良いので自由度が高いと言えます。

煙突の施工

暖炉の煙突の施工の際は基本的にチムニー(煙突を包む四角い筒)を併設します。そして暖炉の場合チムニーの高さが暖炉本体から屋根上までとなるのでチムニーを建てるだけでもそれなりの値段になります。

薪ストーブの煙突の施工としては多岐にわたります。暖炉と同じくチムニーを建てても良し(この場合屋根から上だけで良いので短い)、煙突を屋根から出しても良し、壁から出しても良しと設置場所によって施工方法が変わっていきます。

結局どちらにした方が良いのか

上記で比較した通りこの二つ、特性が全然違います。
総括すると暖炉は炎を使う大規模なインテリア。薪ストーブは炎を使う強力な暖房器具。炎の役割が違います。
暖炉は部屋を暖めるよりも炎の揺らぎ、パチパチと爆ぜる音や香りを楽しむ炎。
薪ストーブは部屋を暖め、湯を沸かしたり料理をしたりエネルギーを利用する炎。
室内で薪を燃やすという点で混同されがちですがそこには大きな違いがあったのです。

薪ストーブに煙突が必要な理由


薪ストーブと切っても切れないもの。それが煙突です。
「ホームセンターに売っている物をちょこっと付けておけば良いのでは?」
と、思う方もいるかもしれませんがそれでは十分に薪ストーブが機能しない場合があります。
では煙突が薪ストーブにとってどれ程重要なことなのか確認していきましょう。
煙突の大きな役割が排気です。
排気をしっかり行えないと薪ストーブが吸気出来なくなります。
吸気が出来なくなるという事は薪ストーブ内部の炎に空気が送れなくなり酸素不足で燃えなくなるという事です。
薪ストーブには強制排気できるファンなどは付いていません。
そこでこの排気不良を解消していくには煙突による煙突効果(ドラフト効果)を高める事が重要となります。

煙突効果(えんとつこうか、英: stack effect)とは、煙突の中に外気より高温の空気がある時に、高温の空気は低温の空気より密度が低いため煙突内の空気に浮力が生じる結果、煙突下部の空気取り入れ口から外部の冷たい空気を煙突に引き入れながら暖かい空気が上昇する現象を言う。

煙突効果を高める方法としては、

①煙突の排気温度を高くする
②煙突を高く上に伸ばす
③二重断熱煙突を使う
④煙突掃除をする

が挙げられます。

煙突の排気温度を高くする

薪ストーブの炉内の温度を上げていくことで煙突内部の空気の温度も上がっていきます。
高温の空気は低温の空気より密度が低いため上へ上へと上昇していきます。
その際薪ストーブの吸気口から空気を引き込むので炎に酸素が取り込まれるのです。

二重断熱煙突を使う

強力なドラフトを発生させる為に煙突の排気温度をなるべく高い状態に保つ必要があります。その際重要になってくるのが煙突の断熱性能です。
煙突にはシングル(一重)煙突と二重断熱煙突があります。
シングル煙突は煙突内部の熱を煙突外部に放射してしまう為、排気温度を下げてしまいます。しかし二重断熱煙突であれば断熱層がある分、格段に煙突外部に熱を放射しにくくなります。
これは煙突が外に出て外気に触れれば如実に差が表れます。シングル煙突が基本的に外で使われないのには理由があったのです。

煙突掃除をする

大半の煙突の一番上には鳥が煙突内に入ってこないように鳥よけのネットが張られています。この鳥よけネットが煤やタールで目詰まりを起こす事で排気が出来なくなります。
ドラフト以前に空気の通り道が塞がっては話になりません。
その目詰まりを防ぐ為に煙突トップの状態確認を定期的にしたいのです。
それに煙突掃除は煤やタールによって引き起こされる、臭いや汚れによるご近所トラブルを未然に防ぐ意味合いもありますので一年に一度の煙突掃除を推奨しています。

煙突を高く上に伸ばす

煙突は長くすればする程、煙突の出口にある気圧は低くなるのでドラフト効果は高まります。
そのため薪ストーブから直上に煙突を取り付けた場合、4m以上の高さが必要とされています。
しかし横に煙突を伸ばした場合はその分排気がスムーズに行えません。
その際は横の長さの倍の長さで補填する必要性があります。


まとめると二重断熱煙突を長さ4m以上で施工する。
その状態で勢いよく炎を燃やして毎年煙突掃除をすれば健全な燃焼が出来るという事です。

薪の重要性


石油ストーブの燃料は石油。電気ストーブの燃料は電気。
であれば当然薪ストーブの燃料は薪となります。
しかしながら石油の質、電気の質、総じて燃料の質について考えたことがあるでしょうか?
恐らくないのではないでしょうか。
それはその燃料の質が一定のクオリティを維持するように製造され販売されているからです。
では薪ストーブの燃料の薪はどうでしょうか?
木の種類は沢山ありますし様々な入手ルートがありますしそれぞれ質は違うし自分で作ることもできる燃料です。
そこで薪で気を付けるべき点を考えていきましょう。

薪の大きさ

燃焼の段階によって薪を使い分ける必要性があります。

・炎を起こす初期段階の焚き付けには小枝、割りばし、直径2㎝程度の薪。
・焚き付けに火が付いた後は直径5㎝程度の薪。
・最終的に長い間燃やすための直径10㎝程度の薪。

と段階的に大きな薪へと火を付けていきます。
この段階を踏まずにいきなり大きな薪を炉内へ入れると火が回らずいつまでも温度が上がらず着火不良となります。
大きな薪だけでなく小さな焚き付け用の薪も集めることがとても大事です。

薪の含水率

理想的な水分含有率は20%以下。
切られてすぐの生木は、その50%が水分です。その木を薪として燃やすには20%以下まで乾燥させることが大切になります。
薪は割って乾燥させる事で空気に触れる面積が大きくなり早く乾燥させてることができます。割る丸太の目安として手首よりも太さのあるものは割ってから乾燥させます。
乾燥期間は雨が当たらず風通しの良い所で針葉樹で1年以上、広葉樹で2年以上が良いでしょう。
十分に乾燥していない薪を燃やすと水分を蒸発させる事にエネルギーを使っている為、温度が上がらず炭化も進みません。
早く薪から出る可燃性ガスを燃やしきりたいのに中々そこまでたどり着けず煙とタール、悪臭の原因となってしまいます。
その逆でしっかりと乾燥した薪を使えば燃焼はスムーズに進み、可燃性ガスを燃やしきりその熱で更に薪の熱分解が進んで健全な燃焼が行われます。
そうなればトラブルの元となる煙やタールの発生は短時間で抑えることができます。

薪の樹種

大きく分けて針葉樹と広葉樹の二つに分ける事ができます。

針葉樹(スギ、ヒノキ、マツ等)は着火しやすく火付きが良いです。
火を起こす初期段階で用いるととても効果的です。
火付きが良い半面、火持ちが悪いので表面積に対してカロリーが少ないのが難点とも言えます。

広葉樹(ナラ、クヌギ、サクラ等)は、密度があり火持ちが\良いです。
針葉樹の様なスピーディーな着火はしませんが寝る前など長い間火を持続させたいときには最適です。普段使いにも針葉樹と比べ薪をくべる頻度が減るので快適です。

どちらもメリットデメリットがありどちらが良い悪いと一概に言えません。
よく「薪は広葉樹じゃないとダメ」等という言葉を聞きますがそんなことはありません。
密度が低い針葉樹は着火が早いだけでなく乾燥しやすかったり割りやすかったり小回りが利くと言えます。それと広葉樹程人気がない為集めやすいかと思います。
理想を言うと着火始めは針葉樹、そこから広葉樹に移行していくのがベストかと思います。しかし大量の薪を確保しなくてはいけない中、そんな我儘も言ってられません。
なので注意しておく点はただ一つでしっかり乾燥した薪かどうかです。

薪の確保

1シーズンの薪の消費量は薪ストーブの使用頻度によって大きく変わります。
もしメイン暖房として使うのであれば一日20㎏を目安として一か月で600㎏。
11月~3月までの5か月程使うとなれば3000㎏程度でしょう。
であればかかる費用は入手方法にもよりますがおおよそ10万~20万円と見積もることができます。
薪の入手方法は様々です。
完全自給自足であれば自分の土地の木を切り倒し、玉切りにし割って薪にして乾燥させる。
しかしそんな事が出来る薪ストーブユーザーは極々僅かでしょう。
であれば自分で出来る所からスタートしましょう。
木を切るのが難しければ玉切りになった物を購入して割って乾燥させる。
割るのが難しければ薪になったものを購入して乾燥させる(来年、再来年分の薪を確保できれば乾燥を同時に進めることができます)。
薪を乾燥させる場所がないのなら乾燥した薪を買う。
自分で手間をかければかける程その分薪代も浮きます。
予算、手間、保管場所等を総合的に吟味して落としどころを見つけるのがベストです。
購入先も様々で薪屋さんは勿論、造園屋さん、地元の役場等木を扱っている所に問い合わせると安く手に入ることもあるかもしれません。

新築でなければ薪ストーブは設置できない?

薪ストーブの設置及び煙突工事は新築住宅、既存住宅問わず可能です。
しかし既存の住宅ですとメンテナンスや暖房効率の関係から不都合がある事も否定できません。
一例として急勾配の屋根です。まず煙突工事の際に足場が必要になります。そしてその後のお掃除やコーキング材の確認の際にも足場を掛けなくてはならないかもしれません。となると足場代が掛かりますし自分でのメンテナンスも億劫になってしまいます。
新築住宅でまだ設計段階であるなら、勿論図面から調整してどこへでも薪ストーブを配置できますし煙突を抜く位置も屋根の勾配も自由に調整が可能です。もし図面が確定している、もしくは既存の住宅での取り付けの場合は垂木の位置や筋違の入り方によって配置場所は制限されるものの候補を出してそこから決めていく形になります。
なので新築の利点を活かすのであれば図面が確定していない段階で一度ご相談ください。
薪ストーブを活かした間取りの提案をさせていただきます。

煙突の施工について

煙突の出し方は大きく分けて二通り。屋根を抜いて出すか壁を抜いて出すかです。


屋根を抜く利点としては薪ストーブ本体から真っすぐ上に煙突を伸ばせる点にあります。
そうすれば排気に抵抗が掛からず排気効率が良く、煙突掃除もしやすくなります。
屋根を抜く場合は更に、屋根の上にチムニー(煙突を囲う箱)を建てるか建てないかという選択肢があります。チムニーを建てれば煙突の高さを稼ぎやすく雨仕舞いもしやすく雨漏りのリスクも低いのが魅力です。
壁を抜く場合は屋根抜きよりも雨漏りのリスクが低いです。
気を付けなければいけないのは軒先などを避け上に伸ばしていかなければならない点です。
軒の出が長ければその分横に長く煙突が出てしまいます。こうなると煙突効果が弱くなってしまう為それを補填するためになるべく上に高く煙突を伸ばしていく必要性があるのです。

まとめ

普段身近に無ければ触れる機会も少ない薪ストーブ。
ましてや煙突の重要性や薪の消費量も知らなければ想像しがたいものです。
実際に
「シングル煙突じゃなぜダメなの?」
「1シーズンでこんなに沢山薪を使うの!?」
と疑問や驚きを感じるお客様も多くいらっしゃいます。
そして薪を燃料としている薪ストーブはカーボンニュートラルとして地球にやさしい暖房器具としての注目も集めています。
薪を燃やせばCO2(二酸化炭素)が放出されますが、その量は、木の生長過程で光合成により大気から取り込んだCO2 の量とほぼ同じです。これをカーボン・ニュートラルと言います。
この記事で薪ストーブの事を少しでも知っていただき、薪ストーブ購入の足掛かりにしていただけたら幸いです。
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